我が家の犬りつりんは、
たまに間違えて足を踏まれたりすると、
「キャーン!」と、大きくて悲しい声で鳴く。
その声は、踏んだ側の感触からすると、そこまで痛くないんじゃないか?と思う。
ちょっとぶつかった程度でもそんな声で鳴くので、
「ちょっと大げさじゃないの?」と正直思っていたのだけど、
でもまあ、人間と比べたらかなり小さくて細い足なので、
思ったより痛いのかもね?と受け止めていたのだが。
ある日、散歩に行くことに浮かれてよそ見をしながら歩いていたりつりんは、
全面にあった壁に、どん、とぶつかったのだ。
そこそこ痛かったと思う程度の衝撃でぶつかっていたので、
当然あの「キャーン!」の鳴き声が出るかと思いきや、
発したのは「わん」という、低くてシンプルな鳴き声だった。
なんだその鳴き声。
どうして「キャーン!」じゃないのか、不思議だったのだが。
まあ、痛いというより、びっくりだったのかな?
などと解釈していた。
しかし今日、また同じような「わん」を聞いたのだ。
散歩に行くために家を出て、エレベーターの前で待っている時。
エレベーターに乗る時は、抱っこをするのが常なので、
りつりんは、私が抱きかかえられるように、私の腕をめがけてジャンプをしてくる。
だけれども、今日は私がぼーっとして抱っこの準備ができていないうちに
りつりんがジャンプをしてきたので、抱きかかえることができなかった。
抱きかかえてもらえるつもりでジャンプしたりつりんは、
そのまま床にどーん、と落ちてしまった。
これは痛いやつだ。
当然「キャーン!」という鳴き声が出ると思われる。
しかし、なんとこの時も発した鳴き声は
壁に当たった時と同じ「わん」だったのだ。
なんだろう。
足を踏んだりぶつかったりした時よりも、
壁に当たったり、ジャンプして落ちたりした時の方が
痛そうに思えるのだが、
なぜか鳴き声のイメージが逆だ。
そこで考えたところ、もしかすると、
「キャーン!」と鳴くのは、痛いから、というよりは
「嫌いよ!」と、踏んだ人間にアピールしている声なのではなかろうか。
一方、自分でぶつかったり落ちたりした時は、
自分の責任で、痛いアピールする必要はないので、
普通に「わん」という声だけがシンプルに出た。
ということなのではなかろうか。
そう考えると、やっぱりあの「キャーン!」の声は大袈裟だよなあ、
と思う。
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