徹夜明け

へんてこえ日記


昨日のバタバタから日付が変わってしまったけど、まだまだ先は長い。

——
引き続きひたすらICUの待合室で待ち続ける。意外に眠くもならなくて暇なので、渡された書類を改めて読み込んでみる。
入院に必要な物の一覧が書かれていたけど、けっこう多くて揃えるのが大変そうだ。家にあるものと買わなければいけないものを確認して、買う必要があるものに印を付けておく。

後遺症の可能性については、読み直してみて改めて恐ろしく感じる。
手術の説明書を読んで、改めて大動脈弓部置換術という手術内容について調べてみる。脳につながる血管を含む手術のため、人工心肺装置を付けたうえで体温を下げて心臓を停止させ、血液循環も一旦停止して手術を行う、という、聞いただけでもかなり危険そうな内容だった。これってドクターXが「失敗しないので」とか言って手術するレベルだよ。行う前に本人が知ったら「手術するのこわい!」と恐怖を感じそうだ。

しかも、通常の予定手術であれば事前に麻酔を含む適合性を調べるなどの準備を入念に行ってリスクを減らすものだが、今回は緊急のためそういった余裕はなく、ある程度の見切り発車で手術を行わなければいけない分、リスクも高まる。
「麻酔説明書」には、麻酔による合併症の可能性の説明のほか、麻酔管理による死亡率が書かれていた。麻酔管理が直接原因の死亡は10万例に1例程度と極めて少ないものの、緊急手術の場合は予定手術に比べて死亡リスクが高まるらしい。確かに。そりゃそうだろう。
かなり危険な状況での大手術なのだが、恐らく本人はそこまでのものとは思っていないまま、のんきに手術に挑んでいるように思える。まあ不安に思ったところでどうにもならないので、それはそれで良いのかもしれないが。
ともかくPHSが鳴らないといいな…と祈る。

夜も更けてくると、さすがに眠くなってきた。横にはなれないけど、机につっぷして上着を枕代わりにして目を閉じてみる。久しぶりに、仕事で徹夜になった時に机で仮眠をとっていた頃のことを思い出した。眠れはしなかったけど、しばしぼんやりとして休む。

朝4時頃、看護師さんがやってきて「今、手術が終わりました」とのこと。慌てている様子もなく普通な様子だったので、無事に成功はしたと思われ、一安心。これから手術室から移動させてくるなどあるので、もう少し待っていてと言われ、そのまま待合室で待つ。

しばらくすると看護師さんに呼ばれてICUの処置室の中に入っていくと、本人が寝ているベッドの周りに10名くらいの医師や看護師が取り囲んでいた。手術前に説明をしてくれた執刀医のM先生が、一緒に手術を行ったスタッフの方々を紹介してくれた。
「予定していた手術は全てできました。左心耳閉鎖の手術も行えたので、今まで飲んでいた薬を一つ減らせるかもしれません。この後は脳への影響が出ないように注意していきます。呼吸器をつけているとCTができないので、明日いっぱいくらいで呼吸器を外せるようになることが当面の目標ですね」などと説明してくれた。

本人はまだ麻酔が効いていて完全に眠っているので、見ただけでは状態が良いのかどうか全くわからない。「手を握ってあげてもいいですよ」と言うので、一応触ってみると冷たかったので、生きているのか死んでいるのかもわからない感じだった。そんな様子を見てとったのか「手術のために体温を下げたので、まだ冷たいかもしれないですね」と言われた。

それにしても、夜中に8時間もの長時間こんな大変な手術をしていただいて、先生やスタッフの方々には感謝でいっぱいな気持ちだ。お医者さんってすごいなあと思う。

とりあえず生存を確認できたところで、ようやく解放されたのが朝の4時半。外に出てみると、言われていた通り日は昇っていて明るくなっていた。

さて、どうやって帰るか。最寄り駅はあまり近くなさそうだし、バスもまだ動いていない。UberとGoなどの配車アプリでタクシーを呼んでみるも、こんな時間で場所的にもタクシーが少ないのか、全く捕まらない。仕方がないので意を決して駅まで歩いてみることにする。というかそれしか方法がない。

空は晴れていて空気が澄んでいて、歩いていると気持ちが良かった。この空気感からすると、悪いことにはならないだろう、となんとなく感じる。

駅には15分ほどで到着して、ちょうど始発も出ている時間になっていたので電車に乗って家へ向かう。車だと家から直線距離で割と近いようなのだが、電車だとけっこう遠回りしないといけないルートしかないようだった。
それにしても。最初に病院に行った時に着ていた服と靴、そして2つめの病院で着せられていた服を、青いビニール袋(というかゴミ袋)に入れて渡されていて、それを持ったまま電車に乗っていたので、なんだか怪しいものを持ち込んでいる人に見えないだろうかとちょっと心配だった。

電車に乗りながら各所へ手術が無事に終わった報告を送っていると、昨夜りつりんを連れていってくれたAちゃんからLINEが来た。昨夜一緒に寝てくれている様子や、今朝散歩してくれている様子の写真と共に、心配はなさそうとの報告。本当に、連れていってもらえてよかった。でなければまだお留守番中だったもんな。

朝6時半頃、まさに徹夜明けの仕事から帰ってきたかのような感じで、誰もいない家へ帰宅。昨日買って食べなかった残りのパンを食べて、布団に入ってちょっと仮眠をとる。今日は平日なので、一応仕事もしなきゃなのだ…。しかもMTGの予定がいくつか入ってしまっているのがこんな時に辛いが、リモートワークなのは幸いだ。

ところでICUのお見舞い時間は15時〜16時の1時間のみ。麻酔が切れても今日いっぱいくらいは鎮静化させているため意識はぼんやりしていると思うとのことなので、お見舞いは明日に行こうかと思う。そもそも今日はそんな気力がないかもしれない。

意外と仕事もやることがあって、お見舞いには行く気力も時間もないまま一日が過ぎる。幸いにも一昨日作っておいたモツ煮が大量にあるので、昼食も夕食もモツ煮を食べた。味が染みていて美味しい。野菜の具もたくさん入れたので、一応栄養バランスも悪くないかも。作り置きがこんなところで役に立つとは。

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「酒を飲んだら飲まれろ!」 をモットーに人生過ごしてきました。 でももうそろそろちゃんとしようかなー、 と毎年思ってます。

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