へんてこえ日記〜酒と旅と自然とその他もろもろ ブログ

沖縄2009秋_11_オリオンビール工場と桜坂ハシゴ酒ナイト

11_001台風はまだまだ去る気配を見せない。
昨日ひととおりまわったし、もう伊江島は去ろうと思う。
11_00210時発の船で本部港に戻る。

沖縄って、砂糖がじゃりじゃりしたクリームのパンが
よく売っている。

これからどうするか。
台風もいつまでもぐずぐずと沖縄にとどまっているようだし、
もう私も観念して、島へ渡るのは諦めようと思う。
残った2泊は、那覇に泊まろう。
ということで、那覇の安い宿を探していたら、
キャンペーン中で今なら一泊2000円で個室の宿があった。
なんかちょっとあやしげな風情でもあるけど、
場所もいいし、まあいいや。
と、ネットで予約。ほんとにネットって便利である。
そうそう、伊江島の宿は無線LANがつながるのである。
ほんとに最近のネット状況は便利になってきてるなあ。

那覇へ戻るとしてもせっかく時間かけて本部半島まで来ているので
こうなったらやっぱり、ちゅら海水族館を見て行こう、と心に決めた。
が、ここに至るまで、全くそこへ行く気がなかったので、
あらゆる情報がよくわかっていないことに気がついたので、
一応ネットで見てみると、けっこう見ごたえがあって
一日中見てまわれそうだ。
台風の中、ここで過ごすのも悪くないかもしれない。

さて。
今回の旅のお供「沖縄・離島情報」は、
離島を旅するには、本当によく出来たガイドブックで、
船の時刻表や連絡先、港までの交通手段、宿の情報、
などなど、欲しい情報がぬかりなく載っている。
B5版と小さくて480円と安いのだけど
これだけあればじゅうぶんにあらゆる離島がまわれる。
もっとこんな情報があればいいのに、という不足が全くなく、
こんなことまで載ってるんだ!と、予想以上にすごい。

と、離島マニアにはものすごく便利な本なのであるが
その分一般の観光客向けの情報はかなり少ない。
一応有名どころは申し訳程度には載っているけど、
離島に関してあんなに注意深く書いていた割に、
観光スポットへの行きかたの情報は、ゼロに近いほど、無い。

なので、もちろん、ちゅら海水族館なっていう、
一般観光客ご用達の観光スポットに関しての情報なんて全く無く、
詳しく記されているバス情報などを自力で読み解く必要がある。
しかしこれがまた、ものすごく難しいのである。
電車の無い沖縄はバスが発達している一方、
バスの経路が複雑すぎて、県民でも乗りこなすのが難しいと言われている。

本部港に着いて、バス停に行ってみると、
なんと、今さっきバスが出てしまったばかりのようだった。
なので、30分ほど港の待合室でバスを待つ。
行き先はよく確認した。
水族館に行くには「65番」というバスに乗ればいいのだ。

そして30分後にやってきたバスに乗る。
「沖縄・離島情報」に掲載されている、全てのバス停の位置付き地図で
チェックしつつの乗車。
しかし、ちょっと気を抜いている間に、どうも水族館方面でなさそうな地名が
アナウンスされた。
地図を見ると、半島のはじっこにある水族館よりも手前の位置の道路で
回って名護の方に折り返してしまっている様子である。
あれれ??もしかしてこのバス、水族館の方に行かないのか?
だけど、どう見ても、水族館行きのバスは「65番」意外には無いのだ。
うーむ。と悩んでいる間にも、どんどんバスは遠ざかる。
これは、一旦降りて、引き返した方がいいのでは?と思ったけど、
外はものすごい暴風雨で、こんな中で立って待っているのは
少しの間でも嫌だ、と思って、そのままバスに乗り続けた。

よくよく調べてみると、どうやら「65番」の中にも4つくらいの
経由地違いのバスがある様子で、私はちょうどその中の
水族館を経由しないバスに乗ってしまったようだ。
というか、道が違うんなら番号を変えてくれ!と強く思った。

しかし今、変えてくれ!と思ったところでバスの行き先が変わるわけでもなく
通常なら20分くらいで着くはずの名護までの道を、
わざわざ半島の逆周りでぐるっと回って向かっているので
倍ぐらいの時間をかけて、名護に着いてしまった。
これから水族館に行く気力はもう無い。
11_003そこでいきなりひらめいたのが「オリオンビール名護工場」の見学だ!
電話番号はわからなかったけど、地図には位置が載っている。
ということで、近そうなバス停で降りて、歩いて行ってみる。
入り口の門のところまで来て、守衛さんに
「見学できますか?」と聞くと
「歩いてきたの?!」とびっくりしつつ、受付へ案内してくれた。
受付のレディーに、予約してないんですけど見学できますか
と聞いてみると、次の13時からの回に1名なら大丈夫です
と言われた。やったー。

実は私は、この工場に見学に来るのはこれで3度目なのである。
だからけっこう平気でいきなり見学させてくれと
飛び込めたのかもしれない。
土曜日なので、ラインが動いているところは見れなかったけど、
長年ビール会社関係の仕事をしていたので、
製造工程も知ってるし、ラインの動いてるところも何度も見ているので
まあよしとしよう。
11_004初代オリオンビールの瓶
歴代のパッケージが並んでいた。楽しい。
11_005アサヒビールと提携してから
オリオンビールの広告は
めっきりアサヒっぽいのです。

流れているCMも、まるでスーパードライ。
ざっぱーん!どっかーん!鮮度!挑戦!うまい!
11_006試飲!
おつまみ付き。1杯までおかわりOK、というシステムだった。

ちなみにわたくし、オリオンビール工場見学は3回目の達人なのですが!
以前は、20分飲み放題だった。
そして、おみやげにオリオンビール缶の貯金箱がもらえたのだ。
これがとっても嬉しくて、
それ以来500円玉貯金を始めて、
おかげさまでものすごく貯まっているという。

しかし今回は、貯金箱プレゼントが無かった。とっても残念・・。
買ってもいいと思うほど、欲しかったのに。

でも、空き缶をくりぬいて作ればいいではないか、
という説もある。

ビールでちょっぴりいい気持ちになったのだけど
名護から那覇までのバスに乗るために、バスターミナルまで歩く。
が、これまたひどい雨風。
名護の商店街は、のきなみシャッターが閉まっていて
昼ご飯も食べられない。
バスターミナルは近いかと思ったらなかなかつかなくて、
30分くらい雨にさらされながら歩いていたら
すっかりずぶ濡れになってしまった。

色々とお金かけて移動してきているけど、
なんだか、大変な思いをするためにお金を使っているような気がする。
だけど楽になるためにお金を使うと、なんだか自分がダメになるような気がするというか
もっと自分を鍛えるためにお金は使いたい、、と思っていると
どうしても、こんなことになってしまう。
断食道場とかにお金つかって行く人って、
何で物食べさせてもらえないためにお金使うのか?と
理解できなかったけど、もしや私も同じようなことをしているのかもしれない。
苦労するためと楽するためと、どっちが正しいお金の使い方なのか?
いや、もうそれは、個人の嗜好の問題で、
どっちも正しいのかもしれない。

雨の中を全身ずぶぬれになりながら重い荷物をしょって歩いていると
だんだんそんなことを考えてしまう。
これはなんだか、山のぼりだなあ、と思う。
11_007
ことごとくシャッターの閉まっている名護の町で
ようやく見つけた食堂で、フーチャンプルー定食を食べて休憩。

そしてようやく名護バスターミナルに到着!
バスはけっこうすぐにやってきた。
乗り込むと、バスは非情にも、今私が苦労して歩いてきた道を
逆そうして行った。
そうか。よく考えたら、ここまで歩いてこなくても、
工場の近くのバス停で待ってれば良かったんだ・・。
バスは、ずぶ濡れの私をあざ笑うかのように、
ビール工場のすぐ近くの大きなガジュマルの木の横を通過して行った。
まあ、人はこうやって、失敗を重ねてオトナになっていくのだ。

バスは2時間ほどの長旅を経て、
18時頃、那覇に到着。

国際通りから少し入ったところの浮島通りは、
ちょっとお洒落な洋服の小さなお店がいくつもあったり
バーもあったりして、小洒落た通りであった。
けど、途中で市場へつながる道などもあって、
少しアジアンな空気も醸し出している不思議な道。
その通りにある「柏青荘」が今日の宿。
11_018
マンションぽいビルの3階にエレベーターであがると
マンションぽい入り口で、そこが宿だった。
広い居間みたいなところでオーナーのおじさんが出迎えてくれた。
コワモテだけど、丁寧で優しいかんじであった。
なんだかこの宿は不思議なつくりで、
居間の奥の一部屋に鍵をかけて借りる形式。
家の中の一部を借りている、というかんじだ。
他の部屋は、また別の入り口から入るところにあるらしいが、
このメイン受付場所も兼ねた入り口から入る宿泊部屋は
私の泊まる部屋の他にもう一部屋あって、
「もう一部屋は、私の母が住んでいます」と言っていた。

お部屋は、かなりキレイ。
ほんとに、「おうちの部屋」ってかんじ。
バス、トイレもまさに、おうちのように設置されているのを使う仕組み。
しかしなんだか全体的に不思議感がただよう。
11_008桜坂までは宿からも近いので、歩いて行く。
あらかじめだいたい行くお店も決めていたのだけど、
なんと日曜日は閉まっている店が多い!
いきなりくじけそうになるが、それではいかん、と
いくつか店を吟味して、勇気を出して
「おでん うらわ」という店に入ってみる。
11_009今日は雨に濡れてるせいもあって、少し寒かったので、
おでんもいいかな、と思ったのだ。

店に入ると、カウンターに離れておじいさんが二人座って
静かに飲んでいた。
11_010「泡盛を・・」「何の銘柄にします?」
目についたので、残波の黒をお願いする。
泡盛と、突き出しのミミガーのピーナツ和えとタコを煮たものが出てきた。
メニューとか無いので、作法がいまいちわからない。
待ってるとそのうちおでんが出てきたりするのだろうか。
しかし他のおじいちゃんたちも、おでん食べてないなあ。
目の前にはフタをされたおでんを煮ている様子だけど、
まだ煮えてないのか?よくわからない。。

「お客さん、沖縄の人?」
「いえ。東京です」
「そっか。やっぱりそうよね。
いや、最初からザンクロ頼むから、慣れてるなあと思ったけど
顔見ると、内地の人っぽくないから・・」
とほほ。確かに、いくら泡盛をたくさん飲もうと、
けっして沖縄県民チックには見えないだろうなあ。
11_011店内には無数の地球儀がたれさがっていた。

最初はおじいさんが二人、静かに飲んでいた。
後からやってきた夫婦がカラオケを歌いだした。
沖縄民謡中心。
すごく上手。

おでん屋だけど、おでんを薦められないままだったので
頼みそびれつつ、泡盛1合を飲み干し、店を出た。

ここでのお会計は、800円。
11_0122件目
「餃子 紋次郎」

ここではオリオンビール生を。
餃子屋だけど、やっぱり餃子を薦められない。
そうか、言わないといけないんだ、と気がついて
餃子を注文。

しかしどの店にもメニューってもんが無いから
慣れないと流儀がよくわからないなあ。
11_013餃子は、超パリパリで薄型で、めずらしいかんじのものだった。
台湾ぽいというのか何か、日本の味とちょっと違う。
でも、ビールに合って、おいしかった。
クセになるかも。この餃子。

客は一人静かに飲んでいたおじさんと、
女の人が一人。
女の人は、カラオケを何曲か歌っていた。
アグネスチャンとか。
そのうち、酔ってきたのか、
昔付き合った男に殺されかけられた話をし始めた。
うーむ、ディープ。

お会計はビール1杯と餃子一皿で1000円ちょうど。
11_014お店に入るのも少し慣れてきたところで、3件目!
さっきおでんも食べられなかったので、再度挑戦。
名前が面白いので、入ってみた。
「おでん ホームベース」
11_015なんと、私が今日、最初の客だと言っていた。
粟国島出身のママさんが経営するお店。
11_016なんと、私が今日、最初の客だと言っていた。
粟国島出身のママさんが経営するお店。
11_017ここのお店のカラオケは、レーザーディスクを手で入れる方式!

近所の別の店のママが、店を閉めた後におでんを食べにやってきた。
そして、一曲歌う。上手だ。
ホームベースのママも沖縄民謡を上手に歌っていた。
そして帰りがてら「この子にも歌わせてあげて」と
カラオケ代を置いて帰っていった。

せっかくなので、歌わせてもらうとする。
やっぱせめて演歌がいいよな、、、と
数少ないレパートリーから選んで歌っていると、
酔っ払ったおじさんがお店に入ってきた。
このおじさんにも、何曲も歌わせてもらった。

ちなみにこの辺りのお店は、カラオケ1曲100円が定番。

もっと早く帰るつもりだったのに、気がつくと1時半になっていた。

ということで、本日のハシゴ酒は3軒で終了。
民宿へ戻り、外の入り口のドアを開けると、
居間みたいな受付スペースのソファに
おばさんが座ってテレビを見ていた。
これが、オーナーさんのお母さんか。
「こんばんは・・」と挨拶すると
こっちを見ただけで、特に声も発しなかった。
自分の部屋に入ると、間もなくおばさんも自分の部屋に入っていった。
もしかして、私の帰りを待っててくれたのだろうか?


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