へんてこえ日記〜酒と旅と自然とその他もろもろ ブログ

沖縄2010GW_10日目_南北大東島おおいそぎ巡り

10_1_001フェリーに乗っている時に
船員さん(船長さんか?)に
「予定が変わって、大東島で一泊せずに
その日のうちに那覇へ戻ることになった」
と告げられた。
通常であれば
1日目:17時那覇出航
2日目:9:00南大東島→10:00 北大東島到着~観光
16:00 北大東島発→17:00南大東島着~宿泊
3日目: 14:00 南大東島発
4日目: 7:30 那覇到着

という日程になるはずで、
(まあそもそもこの日程自体もなんだかすごいかんじなのですが)
南大東島の民宿も予約を入れておいたのであるが
「2日目」の時点で南北を回り、その日のうちに那覇へ向かう船で
まだ一泊過ごすことになってしまった。

この船の予定は直前までコロコロと変わるというのは有名な話だけど、
乗ってからすぐに変わるとは思わなかった。
まあ、そんなところもこの船の醍醐味でもあろう。
10_1_002急遽の予定変更のせいなのか、
最初の南大東島への到着が予定より早く午前8時に到着した。
私は両方の島を見たいので、ここでは降りないのであるが、
コンテナ上陸を見学したいので、甲板で出てみる。
狭い甲板の半分に人が集められて、
そして頭上から、クレーンに吊られたコンテナが降りてきた。
頭ぶつかったりしないのか?!
というような至近距離に降りてくるので、けっこう恐い。
10_1_003大東島は断崖絶壁に囲まれているので
船が港の近くまで寄れない。
だから船と港をタラップで結ぶことができないので、
このコンテナ上陸という手が使われているのだ。

港と船を結ぶロープを船から投げる時に、
通常は船員さんが手でぽーんと投げるのだが、
ここでは波が高くて遠いから手で投げては届きずらいのか、
小さな大砲みたいなものでパーン!と火薬で飛ばしていた。
色々なところが普通の船と違って、カッコイイ。
しかし、作業の手間は大変そうである。

ここで降りる人達がコンテナに乗り込んで、持ち上げられて、
島へ上陸して行くのを見送った後、
更に1時間の航海で南大東島へ。
10_1_0049時に
北大東島に到着。
私の乗るカゴが空から降りてきた。
いよいよ夢のコンテナ上陸を果たせるぞ!
10_1_005頭上から降りてきたコンテナに乗り込む。

10_1_006海の上をぐわーん、と吊り下げられて、運ばれていく。
10_1_007港に着地。
けっこうあっという間。
10_1_008
10_1_009きちんと人にぶつかったりしないように
うまいこと着地させるクレーン技術も見所。
10_1_010フェリーだいとう。
港からかなり下に沈んだ位置にいるのが、カワイイ。

10_2_001まずは北大東島を観光。

到着したらすぐに帰りの切符を買っておくようにと言われたので
教えられた場所へ行ってみるのだけど、よくわからず、
一緒に降りた人と共に、グルグル探しまわってしまった。
ようやく売り場を発見し、切符を購入。
レンタサイクルを借りるには「ハマユウ荘」というところに行くとよい、
と船員さんに教わっていたので、そこへ行ってみようとしていたら、
切符を買いに来ていた島で働いているおじさんが
「どこに行くの?」と言ってきたので、ハマユウ荘だというと、
そこは遠いから、車に乗せていってあげる、というので
ありがたく乗せてもらうことにした。

行ってみると、歩いていくには少し遠いところにハマユウ荘はあった。
そこで自転車を借りようと受付の女の人に話してみると
「今日の船で帰るの?じゃあ、二六荘の方が近いから、
そっちで借りた方がいいと思うわよ。ちょと、空きがあるか聞いてみるわね。」
と言って、二六荘に電話をしてくれ、自転車の空きがあることを確認すると、
なんと、車でわざわざ二六荘まで送っていってくれた。
なんだろう。この神様のような対応は。
同業者にはライバル意識が働くのが当たり前という世界で
当たり前に過ごしてきた身には、
こんな対応を普通にしてしまうということはショッキングであった。
完全なる利他的な精神でないと、ぱっとこんな風にはできないのではなかろうか。

そして二六荘まで送り届けてくれた女の人は、
「じゃあ、自転車よろしく」と二六荘の人に我らを引き渡して、帰って行った。
二六荘で対応してくれたお兄さんは
「自転車返す時は、港のはじっこに置いておいておいてください。」
と、借りるときには、身分証明も何も要求せず、
そのままぽん、と貸してくれた。
もちろんレンタル料1日1,050円は払ったけれども。

大東島は、自転車で周るのにちょうど良い大きさの島であった。
天気は曇り空だったけど、陽が照っていると暑いので、ちょうど良かった。
しかし湿度がものすごい。ニュースでは湿度85%と言っていた。
85%って、ほとんど水と言ってもいいのではないか?。
汗が出まくる。
10_2_002沖縄最東端の場所まで行ったりしたけど、
島のほとんどは、サトウキビ畑で、特に観光スポット
というのはあまり無い。
でも、そんなところが、とても良い。
10_2_003沖縄最東端の海。

10_2_004なぜかこの場所だけど「秋葉神社」という名の神社。
ここに来させていただいてありがとうございます
とお礼のお参りをしておく。
10_2_005北大東島には食事処というものが無い。
ので、お昼ごはんは、JAで買った大東寿司を。
これが、ほんのり甘くてめちゃくちゃおいしい。
南大東島の見える公園でビールを飲みながらいただく。
至福だー。
10_2_006サワラを醤油ベースの秘伝のタレに漬け込んでいるそうだ。
ああ。おいしかった。

全部同じお寿司だけど飽きずに食べられた。
10_2_007向こうに見えるのは、南大東島。
とても平べったーい形。

食べていたら、飲みの誘いの電話がかかってきた。
「今、どこにいる?」と聞かれて
「大東島」と答えたら、びっくりしていた。
10_2_008郵便ポストの上に、コウモリの剥製が乗っかっていた。

10_2_009両島日帰りなので、通状のタイムスケジュールとは異なり、
14時に北大東島を出航。
この、「14時」という時間も、なんとギリギリまで確定せず、
11時頃に切符を買ったところから、決定時刻の電話がかかってくるという、
本当に直前までどうなるかわからない船なのである。
10_3_001再びコンテナに吊られて船に乗る。

船内でくつろいでいると、色々世話してくれる船員さんがやってきて、
知り合いが車を貸してくれるというので、良かったらそれで島を周るといい。
と言う。
「いくらくらいするんでしょうか?」と聞くと、
「いや。お金はいい。」とのこと。
急遽予定が変わって観光時間が短くなってしまったから気を使ってくれたのだろうか。
10_3_002今度は南大東島へ上陸。

10_3_003港を降りると女の人が迎えに来てくれていて、
はい、ではこれ使ってもらっていいですよ、と車を貸してくれた。
その女の人は、船の予約も取り扱っている役場の人らしかった。
普通の知り合いに貸すように、
事故の場合はどーのとか免許見せてとかなんてことは特に何も言わず、
ぽんと車を貸してくれて、
「車は船に乗る時に、その辺に鍵つけたまま置いておいてください。」
と言って、港の近くの役場へ戻っていった。
本当に大東島においては終始こんなかんじで、
こっちが恐縮してしまう。

船の出港時間は「7時半集合」だそうなので、
早速車に乗ってまわる。

ところで、大東に来て初めて
船に乗るにあたって「集合」という表現を聞いた。
普通は「○時から乗船開始、何時出航」と言うもので、
来た人から順番に乗っていく通状の乗船の仕方ではなく、
コンテナに客を一気に乗せるスタイルのこの船では、
「集合」の時間に客がきっちり集まって、
集まったところで一気に乗せるということになるので
「集合」という表現になるのだ。
たぶん他の船ではしないこの表現がとても面白かった。
10_3_004鍾乳洞「星野洞」へ。

懐中電灯と、首から下げるカセットデッキを渡される。
この解説を一人洞窟の中で聞いているのが、なんともシュール。
10_3_0051センチ伸びるのに100年かかるというツララ。
幻想的な風景。
10_3_006斜めの天井の場所には、こんなビロード状にできあがる。

10_3_007鍾乳洞の中は泡盛を保存するのに適した温度なのだそうで、
泡盛が置かれていた。
10_3_008大東神社。
八丈島の出身者が開拓したこの島は八丈の文化が入り込んでいるそうで、
この神社も八丈の影響を多く受けている、と書かれているけど、
どの辺がそうなのかはよくわからなかった。

ここでも、この島に来られたことをお礼参り。
10_3_009海軍棒プール。
断崖絶壁に囲まれたこの島では砂浜なんて無いので
海水浴は不可能だけど、
このように岩で囲って作った人工プールがある。
すぐ近くには荒波が打ち寄せていて、迫力満点。
時間があれば、入ってみたかった。
10_3_010長年、人が入り込むことを拒んできた、断崖に囲まれた島。

10_3_011バリバリ岩。
大東島は、4800年前にはニューギニア諸島にあったものが、
だんだん日本の方に移動してきたというのだ!。
なんと今でも1年に7cmづつ北東へ移動しているというアクティブな島。
その根拠となるのが、このバリバリ岩なのだそう。
10_3_012北港の地層、レインボーストーン。
「レインボーストーンはパワーストーンなので県外への持ち出しは危険です」
とパンフレットに書かれていた。本当か?!

こんなかんじで見所をざざっと巡った。
雨も降ってきたし、南大東はけっこう広いので、
この短時間だったら車で回って本当に良かった。
しかも、タダで借りれるなんて、有難すぎる。

日が暮れてきたら、船に乗る前に商店で夕食の買出し。
南大東島は、北に比べて栄えているので
飲食店も商店もいくつもある。
店をいくつか回って、大東寿司やおかずなどを買う。
最後にJAにビールを買いに行き、
もう一品おかずを買おう、とビールを惣菜をレジに出したら
閉店間際ということで(?)
惣菜の分は、お金いいです、とビールの分だけ清算してくれた。
ほんとうに大東島は、何から何まで無欲というか何というか
全員がこんなかんじなのは、一体どういうことなのであろうか。

長年閉ざされていたこの島は、動植物の生態系も本土と違って
特殊な進化をしているとのことなのだけど、
人間性も、なんだか本土と根本的なところで違うような気がした。
利他的に考えて行動するということが、脊髄反射的にできているというか。
そこに迷いが無いというか。そこに対して迷う、ということを知らないというか。
これほどの徹底ぶりに触れてしまうと、
なんだか随分自分は利己的思考だよなー、と反省しきり。
まだまだ世の中には学ぶべきことが沢山ある。

買い物のあと、集合時間まで少し時間があったので
港の近くのキャンプ場でシャワーを浴びた。
シャワーといっても水しか出ないのだけど
湿気の多さで汗だくだったので、
シャワーを浴びて着替えたら、さっぱりした。
10_3_01319時に集合して、最後のコンテナ乗船を果たす。
夜の海の上をコンテナに乗って船に乗り込む。
10_3_014最後のコンテナ乗船。

滞在時間は短くて大急ぎだったけど、
そもそもの主目的がコンテナ上陸であったので、
4回もコンテナに乗り降りできて、大満足だ。

10_3_015町の商店で買ったお惣菜で夜ご飯。
大東寿司は、個人的には北で食べたモノの方が好みだった。

それにしても惣菜類が、原価のように安い。
最後にビールと一緒に買った1品は、閉店間際だったからと、無料でくれた。
ホントに終始そんなかんじで、
人間としての心の持ちようを色々考えさせられた大東島滞在でありました。

行きの教訓を生かして、帰りの船では、
船に酔う前に、乗り込んだらすぐにビールを飲んでご飯を食べた。
とはいえあまり飲めなかったけど。
でもこの作戦のおかげで、眠くなってきて早々に眠りにつくことができた。
10_1_0


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