にがおえ欲をかきたてる顔というものがある。

頼まれて知らない人の似顔絵を描くことになったのだけど、
その知らない人の写真を見せてもらったところ
幸い「似顔絵欲」をかき立てる顔だったので、
楽しく描くことができた。

そういえば私はにがおえを描くのが昔から好きだったのかもしれない。
中学生の時は、学校中の先生達のにがおえを描いて
勝手に教室の壁にぎっしりと張り巡らせていたのだった。

今思うと、何であんなに書きまくって貼りまくっていたのだろうか？？
と思うのだけど、
先生たちが皆個性的で「似顔絵欲」をかきたてる人が多かったから
描きたい衝動が抑えられなかったのかもしれない。若かったし。

今でもたまに、見た瞬間
「似顔絵描きてー！」
と思う顔に遭遇することはある。
その人の特徴がばん！と全面に押し出されているような顔。

一方、描きにくい顔というのもあるもので。
個々のパーツが薄くて主張が無い顔は難しい。
私自身の顔なんかは、その描きにくい顔の典型なのだけど。
おかげで自画像はずーっと上手く描くことができないので、
自画像に関しては、ずっとこんな絵のままなのでした。